2009年11月18日
蕾 第三百十四話
風呂から上がった私には、感傷にひたる時間など無かった
達彦が茉莉亜を風呂に入れ、私が湯上げをする。
達彦が茉莉亜をあやしている間に、私は手際よく暖めた部屋で恵美子の体を拭いてやる。
恵美子の顔から首筋、
乳房の周りからわきの下、
そしてだんだんと下へとタオルを進めていく。
最後に下着を外した恵美子の下腹部を新しいタオルで拭いていく。
両足を広げられ局部を露にされた恵美子。
少し顔を横に背け恥ずかしそうにしている。
私が大陰唇を指で開きその複雑でヌルヌルした箇所を拭いてやると、
腰を少し浮かせ誘った。
私の左手に必死に手を伸ばし掴み
「触れ」
と合図する。
私は気づかないふりをして奥まで丁寧に拭きあげ、
オムツをつけ、起毛のパジャマを履かせた。
以前はこまめに剃っていた恵美子の陰毛は、
チョロチョロと伸びてみすぼらしかった。
「ごめん恵美子。今度お風呂に入ったら剃ってあげるね」
身だしなみを気にして声をかけたが、それ以上の欲望は湧かなかった。
汚れたタオルと洗面器を抱え部屋を出る。
恵美子の気持ちに応えられない自分が歯がゆかった。
それはママの死が衝撃的だったからでも、
恵美子に愛情が無くなったからでもない。
今は、自分がレズビアンであることを考え直してみたい。
そして、
それ以上に性に溺れる人間の成れの果てが恐ろしい気がした。
達彦の部屋に茉莉亜を迎えに行き茉莉亜にミルクを飲ませていると、舅が帰宅した。
麻衣子が女中のようにそそくさと玄関に向かう。
「パパ。パパ」
と子犬のようにじゃれ付く声がする。
麻衣子もいつか気づくときが来るのだろうか?
そしてその時、
舅は麻衣子を手放すことができるのだろうか?
修羅場を演じるくらいなら、
このままの世界が幸せなのかも知れないと思った。
〜つづく
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2009年11月17日
蕾 第三百十三話
「本日、正午過ぎ・・・」
アナウンサーが告げる住所には聞き覚えがあった。
思わず画面を見る。
そこに映し出されているのは、焼け落ちた店舗と見かけない老女の写真。
「死亡が確認されたのは、店主の・・」
焼け爛れた店の看板と、店主という表現でそれがママだとわかった。
ニュースは続ける。
「もう一人は元従業員の○○さん21歳と思われます」
「出火原因は警察と消防で調査中ですが、○○さんに争ったような外傷が見られ警察では事件と事故の両方で調べています」
手元のみかんを落とし、呆然とニュースを見ている私。
達彦が問いかける。
「どうした?玲子。知ってる人?」
同じ問いかけが恵美子の視線からも感じられた。
私は
「ううん、大丈夫」
とだけ答え
「今夜は一人でお風呂に先に入っていい?冷えたのかな?ゆっくり入りたいから」
そう言って剥きかけのみかんを達彦に渡し、
誰の返事も待たずに席を立った。
湯船に浸かる。
ため息が出た。
「死んだんだ」
薄暗い店の中でレズビアンたちの宣教師のように、
私たちの悩みや葛藤を聞いてくれていたママは綺麗だった。
暗がりがママの老いを隠し、
店に来る誰もがママに抱かれたいと願った。
でも、
テレビに映った女の顔は目じりに深い皺がより、
口元のほうれい線がくっきりと老いを表していた。
妖艶なドレスでなく、普段着のような姿のママは
普通以下のおばさん
だった。
あのかわいいママの恋人もすっかり様子が変わっていた。
男を知ったひねた「女」の顔をしていた。
あれから何があったのだろうか。
あの刃傷沙汰の後、私は店にも二人にも関わっていない。
しかし、
思いつくすべてのストーリーが
レズビアンの悲しい行く末
を物語っていた。
「この社会では結局男女以外は認められない」
そう諦めると、
湯船の柔らかな波がママの愛撫のように私の体を慰めてくれた。
〜つづく
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2009年11月16日
蕾 第三百十二話
恵美子の部屋に駆け込む。
ドスンドスンと響く足音で、恵美子は私が部屋に戻ってくることがわかったようだ。
私の異変に、茉莉亜も泣き始めた。
少し知らん顔をしたが茉莉亜の泣き声に堪らず
「はいはい。泣かないの」
と抱き上げた。
私が抱き上げると茉莉亜はすぐに泣き止んだ。
横で見ている恵美子も安堵する。
「同じレベルで感情的になってはいけない」
そう自分に言い聞かせ、恵美子と茉莉亜の顔を見つめた。
暫くして麻衣子が二階に上がる音を確認し台所に戻り、
恵美子と茉莉亜と私と達彦の夕食作りを再開した。
年が明けてから、達彦はほとんど定時に戻ってくる。
あんなにこの家を嫌がっていたのに、
茉莉亜と恵美子の世話をする私の苦労を軽減しようと積極的に手伝いをしてくれている。
達彦が戻り、4人で食卓を囲む。
時折、達彦が
「かあさん」
と呼ぶと胸が切なくなるのは、達彦の恵美子への秘めたる思いを知っているからなのだろうか。
それとも、
単純に「ジェラシー」と呼ばれるものだろうか。
今の私には
男に嫉妬する
事など考えられないとは言い切れなかった。
愛とか恋は女同士にしか湧かないと言い切れる。
でも、
家族としての達彦が恵美子へ思いを寄せる事に気分は良くなかった。
ゆっくりとした食事が済み、
恵美子にみかんを剥いていると夕方のニュースがはじまった。
大きな政局のニュースの後、
余った時間を無理やり埋めるようにそのニュースは流れた。
〜つづく
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2009年11月15日
蕾 第三百十一話
あの夜から、舅と麻衣子の愛欲の世界は復活した。
セックスを再開すると麻衣子の母性は消え、
茉莉亜に対する母らしい微笑さえも無くなった。
一月も半ばに入り、麻衣子が外出をした。
短いスカート。
ロングのブーツ。
その姿は同じ年齢の子となんら変わらず、子供を一人生んだ女には全く見えない。
夕食時に戻った麻衣子は、沢山のパンフレットを抱えていた。
これ見よがしにテーブルの上にバサッと音を立てて置き
「これ、予備校のパンフレット」
独り言なのか私に訴えているのか、そう説明した。
知らぬ顔をして夕食を作っていると
「4月から予備校に通うから・・・茉莉亜のことお願いね」
前半分の言葉が用件。
後ろ半分の言葉は、私の機嫌をとって付け足したまでに過ぎない。
私はなにも答えず、
冷蔵庫からの食材を取り出し、手を動かしている。
「玲子さんが居るから、予備校に通わなくて十分教えてもらえるんだけどね」
「とりあえず世間の建前って言うか、大学に行く前の社会復帰のリハビリ」
確かに麻衣子は私が家庭教師をしていた頃から成績は良かった。
たぶん少し勉強をすれば、ある程度のレベルの大学は受かるであろう。
でもそれは虫が良すぎる。
黙っていれなくなり
「予備校でも大学でも勝手に行けばいいわ。けれど茉莉亜の世話は自分でしてよね」
そして
「母親なんだから」
と付け加えた。
麻衣子に母親の自覚など微塵も無い。
茉莉亜だって麻衣子を母親だとは認識していない。
わかってはいたが、一言付け加えずにはいられなかった。
「だから・・・」
言葉を溜めて麻衣子が言う。
「達彦と玲子さんの養女にしてくれたら、茉莉亜も幸せなんだけどなぁ」
「この家でみんなで一緒に暮らして、本当のパパとママ、義理のパパとママの四人に愛されたらきっと茉莉亜は幸せよ」
「いい加減にしなさい」
私は手にした鍋の蓋をテーブルに叩きつけ、
大きな声を上げて怒りを露にし部屋を出た。
〜つづく
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2009年11月14日
メーカー
コンタクトレンズの具合が悪く、眼科に行った。
初めての病院。
初めての先生。
診察の結果は、コンタクトレンズの装着しすぎによるアレルギー。
医師が私に問う。
「コンタクトレンズ、どこのメーカーのを着けています?」
答えられない私。
ソフトとかハードとか、ワンデイか2ウィークとかは判るけど。
どこのメーカのどの種類なんて、大雑把な私に判るはずがない。
ネットで注文するのも全部ダーリンに任せてるし。
「すいません。わかりません」
と小さく答える私。
医師は半ば呆れるように、アホの子に教えるように言った。
「自分が着けてるコンタクトレンズのメーカーぐらい覚えておきましょうね」
きっと心の中で
「そんなことも判らずに着けているのか。無神経な女」
と言っているのが聞こえるようだ。
こういう男って
自分が着けているコンドームのメーカー
とかきっちりと把握していて
メーカーとか
サイズとか
イボイボの形とか
匂いとか
いちいちチェックして買ってるんだろうな。
そして、
行きつけのドラックストアーに
いつもの
コンドームが無い時は、その日はセックスせずに終わるんだ。
自分の目に装着するコンタクトレンズにまで大雑把な私には、絶対合わないタイプ。
コンタクトレンズもコンドームも、その時見つけたノリで買うのよ、ノリで。
でも、
こんなことだから目もマンコも時々病気になるんだろうな・・・・私。
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2009年11月13日
号泣
最近
人間関係(と言っても相手は女達)
に悩まされ、心身喪失に近い状態。(男達とはこれまで通り、円滑な関係です)
そんな状態にプラスして
仕事のストレス
や
身内への憎悪
が渦巻き、私の心は限界だった。
そしてその限界の
心の堤防
を決壊させたのは、一番身近で全ての状況を知っているはずのダーリンだった。
きっかけは「蕾」の編集。
再三注意を受けている誤字脱字を、その日もダーリンに指摘されました。
そして怒ったダーリンは
「出て行け」(注;私の家にダーリンが通っている居るのですが)
と言うつもりが
「消えろ」
と、私に言ったのです。
親兄弟にも
「消えろ!二度と敷居を跨ぐな」
と言われ、
女友達の裏切りにあい、
仕事でも悩む私に
「消えろ」
は、あまりにも衝撃的な言葉でした。
消えてしまいたい。
私は誰にも必要にされていない。
居なくなればいいんだ。
この家を出て、どこかの温泉旅館の仲居の住み込みでもしよう。
そう考え、
生まれたこと生きていることに後悔と自責の念で号泣してしまいました。
多分あんなに泣いたのは人生で初めてです。
父親が死んだ時でも、泣きながら
「演技じみてる?」
と内心思っていましたから。
いくらダーリンが慰めても慰めても涙は止まらず、
いや、止めたくなかった。
今日は泣こう。
泣いて心の中の押し殺したすべてを吐き出そう。
一時間以上大声を上げ、
大粒の涙を流し、
泣きつかれて寝てしまいました。
朝起きると案の定
パンパンに腫上がった顔
には
粘土にヘラでピッ、ピッと二つ筋
を付けたような目がありました。
そして、泣いて泣いて思った事は
泣くって大事
泣いて感情をぶつけれる相手が居るって大事
最初に泣かしたのは自分の癖に
「ほら、抱っこしてやるからもう泣くな」
と言いながら抱きしめて、頭を撫ぜて朝まで付き合ってくれたダーリン。
人生で初めての大泣きは、
人生で初めて心をぶつけられる相手ができたから・・・・だったのでしょうか。
泣くって大事。
そう感じて、そして思ったのは
泣かないダーリンは可哀想
「男だから」とか「大人だから」とか関係なく、
ダーリンが本当に泣きたいときに号泣できる存在で在りたい。
けれどもいつか
「消えろ」
といい間違えた仕返しはしてやる。
そんな性悪を考えているから、親兄弟に消えろと言われ女友達に裏切られる。
自業自得かもしれません。
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2009年11月12日
蕾 第三百十話
私のヌルヌルした秘所は右手の動きを潤滑にし、
乾いた体は溢れ出た愛液に潤さる。
乳首が硬くなる。
下半身に力が入り、
右手の動きが早くなる。
唇が幻の唇と熱い口づけを交わし、
開いた唇から舌がくねくねと動きまわる。
皮の剥けたクリトリスを強く擦りあげると、
背骨が反り返る。
「い、い、あぁ〜イクゥ」
大きく声をあげてしまった。
オナニーで性欲を処理した事や、
互いのオナニーを見せ合い興奮を高め昇りつめた事もあった。
だけど、
これほどまでに快感を得たオナニーは久しぶりだった。
隣の恵美子は勿論、
隣の舅達まで私の声は聞こえただろう。
後悔はい。
舅たちの不潔極まりないうめき声に比べれば、私の声は聖なるものだ。
でも、
舅に私の声を聞かれたのは、あの男の性欲をさらに掻き立てたのではないか?
もしかすると、
この声に明日からの舅が私に対する眼差しが、さらにいやらしいものになるのではないか?
一抹の不安が残った。
それでも久しぶりの興奮に心地よく酔った私の体は、
日ごろの疲れと相まってすぐに睡魔に襲われる。
濡らした下着を着替えることもなく、眠りに落ちていく。
性欲を満たされそのまま眠りにつく、久方ぶりの心地よい眠り。
隣では恵美子が不自由な体で、処理できぬ性欲を悶々と溜めているだろう。
きっと
「玲子、お願い私も慰めて。愛して。触って!」
と懇願しているに違いない。
そう思うと、余計に気持ちよかった。
私の愛撫の有り難さと、快感を思い知るがいい。
そして、私は朝までぐっすりと眠った。
〜つづく
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2009年11月11日
蕾 第三百九話
布団に入り、恵美子に話しかける。
「茉莉亜の事、どうしたらいいと思う?」
「このままでは茉莉亜が可愛そうだとは思う・・」
「だけど、あの二人の思う壺になるのは嫌」
恵美子は言葉は発せず、私の方を懇願するように見つめる。
「茉莉亜を引き取ってやって」
目がそう訴えているのはわかった。
しかし、そうしたくない私は解らない振りをして電気を消した。
眠れずに何度も寝返りを打っていると、舅が帰って来た。
「まい、まいこぁ〜」
かなり酔っ払っている様子だ。
「麻衣子、体はもう大丈夫だろ。ほら、ほら」
治りかけの麻衣子を夜中に起こし、何をさせようというのか。
だが、同類の麻衣子は自分の体より舅の性欲を優先したようだ。
チュパチュパと何かを舐める涎の音を鳴らしだす。
「おーぉ。おーーおぉ」
呻くような男の官能の声が漏れてくる。
私は恵美子の布団を見た。
恵美子も舅の声に起こされたようだ。
夫の行為を耳で知り、堪えていた。
「まいこ。まだダメか?だったらお尻に入れてやろうな」
「まいこ、お尻の穴がヒクヒクしているぞ」
「さぁ、入れてくださいは?パパ入れてくださいってお願いしてごらん」
酔った舅の声は大きく、一部始終が全て筒抜けだ。
麻衣子の声は掠れ掠れで、はっきり聞こえはしなかったが、すぐに
「ハーハ、ハーァ」
と洗い息遣いが聞こえだす。
「おしり、お尻。いいの!パパ、麻衣子のお尻打って」
パーンッパーンと尻を叩く音が響く。
「麻衣子のお尻は最高だよ。ママより最高に気持ちいいよ。さぁ、出すぞ」
舅は雄たけびのような声を上げ、そして野獣は果てた。
再び静まり返った部屋。
私は冴えた頭で考えた。
隣のような行為をしたいとは思わない。
何かを挿入されたいとも、挿入したいとも思わない。
でも、
隣から聞こえた息遣いに数週間封印していた私の性が疼いた。
パンティの中で、何日ぶりかに愛欲が溢れ濡らしている。
「触られたい」
しかし、
それは隣で寝ている恵美子にではない気がした。
そして、
同じように隣の声に欲情した恵美子に快感を与えることが口惜しかった。
恵美子を放置し、私は自分の右手をパンティの中へと忍ばせる。
興奮し大きくなったクリトリスを擦り、左手で左の乳首をコリコリ摘んだ。
〜つづく
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2009年11月10日
蕾 第三百八話
麻衣子の回復は、思ったより遅かった。
まだ未完成な体の麻衣子は、産後の肥立もよくはなかった。
舅と達彦は平常どおり会社へ行き、恵美子もリハビリが再会したが
麻衣子はずっと寝たまま。
部屋に運んだ食事もほとんど手をつけない。
ひたすら舅の帰りを待って朦朧とした一日を過ごしている。
舅は新年早々から帰りが遅い。
達彦は茉莉亜の入浴のため早めに返って来る。
達彦が茉莉亜を風呂に入れ、
私がタオルを持って浴室に湯あげに行く。
最初は達彦の裸体に目をそらしていた私だが、だんだんと慣れてきた。
それ以上に赤ん坊を風呂に入れるという事は必死の作業で、恥ずかしがっている暇はなかった。
「玲子、玲子。茉莉亜お風呂でオシッコしたよ!」
「えっ、大丈夫よ。後でシャワーで流したらいいじゃない」
そう言いながら浴室に入って
「茉莉亜、オシッコをパパにかけたのぉ〜?」
と笑って、ハッと我に返った。
ここに居るのは茉莉亜のパパでもママでもない。
このまま茉莉亜が成長したらどう言えばいいのだろう。
私の心の翳りを知らず、リビングに出てきた麻衣子が言った。
「楽しそうね、親子ごっこ。そのままパパとママになってくれたら茉莉亜も幸せなのに」
「それとも行く行くは本当の子供を作るつもりだからダメなのかな?」
「そんなことあるわけないじゃない。それに麻衣子ちゃんは本当にそれでいいの?」
否定し、新たな問いかけを麻衣子に投げる。
「だってこのままだと茉莉亜が可愛そうだから、達彦たちの養女にしたほうがいいってパパが・・」
「どうせ達彦は普通の女の人とはできないし、玲子さんだって男とはしたくなんだから」
「”Win Win"だっけ?みんなが勝者って意味。あれ」
「パパと麻衣子は二人の愛を永遠にできてWin」
「達彦はマザコンが世間にバレずWin」
「玲子さんはレズビアンを隠せてWin」
「茉莉亜は両親揃った戸籍を手に入れられてWin」
「恵美子は・・恵美子はそうね、玲子さんにいやらしいことをされてWinね」
笑いながらそう言って、冷蔵庫からりんごジュースをとり部屋に戻っていった。
〜つづく
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2009年11月09日
蕾 第三百七話
夜中。
台所からは手つきの悪い音。
二階からは茉莉亜の泣き声。
台所に行ってみると、達彦がミルクを作っていた。
その要領の悪さに結局手を貸し、二人で達彦の部屋に戻る。
大人用のベッドに危なっかしく寝かされた茉莉亜が、布団を蹴り上げて泣いていた。
達彦が抱き上げミルクを飲ませようとするが、茉莉亜は泣き止まずミルクを口に含まない。
仕方なく今度は私が抱き上げる。
しゃくりあげながら泣き止み、ミルクを飲みはじめた。
「こいつ、何が違うんだろう。参るよな」
私が抱きあげると泣き止む茉莉亜に悔しそうに言う。
そういう風に言う事で、私の機嫌をとっているのがわかった。
「普通に結婚して子どもが出来るという事は、きっとこういう事なんだろうな」
私は思わず呟く。
静まり返った冬の部屋に短い時が流れる。
「ごめん」
達彦が唐突に言った。
「別にあなたのせいじゃない」
「私はあなたを利用して恵美子の傍に居たかっただけだから」
「でも、麻衣子ちゃんと義父さんには参ったけど・・」
私は自分の選んだ道を、全て自分の所為だと反省した。
「いや。俺が麻衣子の策略に乗らなければ・・」
「どうかしてたんだ。かあさんへのいたたまれない思いと麻衣子が重なって」
達彦の反省の弁など、本当は聞きたくはなかった。
いくらレズビアンで女しか興味がないとは言え、女としての自分を否定される事は嬉しくは無い。
できれば多少なりでも、自分に興味があったと言ってほしかった。
そんな矛盾を口にできず、
二人並んで茉莉亜の顔を覗いていた。
すっかり寝息を立てた茉莉亜を抱いて、私は立ち上がる。
「置いておけよ。また泣きだしたら疲れるだろ」
「こんな所に寝かしたら、いつベットから落ちるか心配で寝れやしないから」
私は達彦の部屋を出た。
自分の部屋に戻り、小さな子ども布団に茉莉亜を寝かす。
恵美子と茉莉亜に挟まれるように床に就き、目を閉じた。
隣の部屋から途切れ途切れの女の声。
麻衣子の声ではない。
舅が見ているアダルトビデオの音が静かな夜に漏れている。
みんなが育児や介護に疲労し性的欲求が減退しているのに、
この男だけは尽きることがない。
「病気」
部屋の主に履き捨てて、私は布団を大きく被った。
〜つづく
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