2008年11月
2008年11月30日
蕾 第百十二話
木偶の棒の役立たず
と、自分で言っておきながら滑稽になり笑いが込み上げてきた。
ここで笑うのは失礼だ。
口元を押さえ下を向いていると、扉が開き達彦と麻衣子が揃って入ってきた。
本当にこの兄妹は仲がいい。
しかし、
本当にそれだけだろうか?
木下氏の普通一般の男という表現は、達彦が
極度のマザコンのシスコン
であることを指しているのだろうか。
それとも、
それ以上の不安が有るというのだろうか。
私が人の道を外れた関係を疑っていると、木下氏が達彦に話しかけた。
「聞いたぞ、達彦。先生と付き合っているんだって」
達彦は口元を歪め、斜に父親を見た。
「おいおい、照れることないじゃないか」
息子の表情に戸惑う父親。
またもや、気まずい空気が病室を漂う。
その時
「俺、結婚しようと思ってる」
一同が耳を疑った。
寝たきりの恵美子までが、その言葉に反応しようとしたのがわかった。
「だ、誰と?」
切り替えしたのは木下氏だった。
言葉を返しながら、木下氏は私の方を見た。
その表情は
「さっきは、そんなこと言ってなかったじゃないですか?」
と、私に問いかける様だった。
「先生と・・玲子と結婚しようと思ってる」
レイコ?
一体それは誰。
レイコが自分と同じ名前だと気がつくのには、暫く時間が必要だった。
〜つづく
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2008年11月29日
蕾 第百十一話
「普通一般じゃないですよ、お父さん」
「彼、挿入を好まないんです。もしかしたら挿入できないのかも」
そう言いたいのを我慢して
「だから私、恵美子さんの事も母親のように思って看病したいんです」
と身体を乗り出し訴えた。
違う。
本当は母親じゃない。
恵美子は私の恋人。
恋人を手厚く看病したい。
看病と言う名の支配をしたい。
私が居なければ食事も排泄もできない恵美子を愛してやりたい。
木下氏は私の芝居がかった言葉に驚きながら
「そうか、そうですか」
「先生がそこまで達彦のことを思ってくださっているなんて」
と勝手な解釈をしている。
バカな男
いや、
男というのは皆こうやって勝手な解釈で女を支配し、自己中心的なセックスで
「女をハァハァ悦ばせている」
などと大ぼらを吹き、勘違いしている下等動物なのだ。
でもここは、その低レベルの思考回路を使わせてもらう。
「もし、介護が今後も必要でしたら私が達彦さんの変わりに」
そう言うと木下氏は
「いえいえ、それはいけません。達彦に叱られます。けど・・・」
「けど?」
「先生がそう仰ってくれるなら助かります」
「何しろ達彦は男ですし、いくら母親と言っても下の世話をさせる訳にはいきません」
「麻衣子はまだあの通り幼くて、看病など到底無理です」
「私一人で仕事と介護と家事となると」
この男は遠まわしにだが、
妻の介護などできない
家事もやる気はない
と言っている。
男なんてそんなものだ。
愛だの恋だの家族だの言いながら、所詮はペニスを入れることしかできない。
役立たず。
そう、
ペニスは木偶の棒の役立たず。
〜つづく
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2008年11月28日
蕾 第百十話
翌日。
るり子に身体と心に溜まった物を吐き出してもらった私は、病院に向かっていた。
これで達彦に会っても、今までどおりにクールな私を演じられる。
いや、
達彦の行動に躊躇している場合ではない。
恵美子の病状は回復し始めている。
次の段取りを進めなければ。
病室に着くと、恵美子は相変わらず沢山の管に繋がれていた。
私か来た事を知ると、精一杯動かない頭を揺らし何かを言っている。
「先生に『ありがとう』と言ってるんですよ」
木下氏が恵美子の言葉を伝えた。
本当にそういってるのだろうか?
夫婦になれば
「あーあー」
としか聞こえない声が、言葉に聞こえるのだろうか?
私は木下氏の身勝手な解釈が癪に障った。
「今日は達彦さんは?」
「もうすぐ来ますよ」
そう言った後、木下氏は何かを言いたげに一度俯いた。
そして、改めて私の方を見た。
「先生、達彦とお付き合いいただいてるんですか?」
疑うような問いかけだった。
隠す必要もないことだが、恵美子の前で応える事に今度は私が躊躇した。
「はい、もう4ヶ月になります。達彦さんに聞かれたんですか?」
そう言うと、木下氏は頭をかきながら
「やぁーよかった。そうか、よかった」
一人納得した様子で
「父親として心配だったんです。でも、よかった」
「あいつも普通の男だったんですね」
そう独り言を呟いた。
〜つづく
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2008年11月27日
鯛焼き
オッサンは、所謂「メッシー」って奴だった。
「うまいもん」を気兼ねなく食べれる相手。
上品に食べる必要はなく、寿司は手で食べ
おちょぼ口で食べる必要なく、カツ丼をガツツける。
でも、
一緒にご飯を食べている所を人に見られたくない相手。
デートや女友達との食事では行かないような店を食べ歩く。
その日は、中華だった。
揚げソバとチャーハン。
酢豚と海老天は半分づつした。
人には見られたくない相手でも、同じ大皿をつつくことはできるオッサン。
けれども、
オッサンが望むセックスも、キスも、手を握ることさえ絶対に嫌。
たらふく食べた私達は別腹とばかりに路地の鯛焼きを買い、車に乗り込む。
二人だけで車に乗っても大好きな私に拒否られるのを嫌い、絶対に襲ってこないオッサン。
「俺、ちょっとトイレ行ってくる」
「じゃあ私、お茶を買って来る」
私はオッサンの財布を持って自動販売機に。
オッサンは一人でコンビニのトイレに。
程なく戻ってきた二人は、鯛焼きを食べる。
オッサンに鯛焼きを一匹渡す。
さっきの中華が胃に重い二人。
「一個食べれるか?半分づつしようか?」
オッサンは鯛焼きを頭と尻尾に二つに手で割った。
「ありがとう」
私は手を差し出し鯛焼きを受取る。
しかし、
鯛焼きが食べられない。
さっきオッサンはトイレに行った。
手を洗っただろうか?
大はしてないが小はしたはず。
手を洗ってなければ、オッサンはペニスを触った手で鯛焼きを割ってくれた事になる。
聞くべきか、聞かないべきか。
躊躇する私。
「トイレ行って、手を洗った?」
結構失礼な質問である。
もし手を洗ってないと言われたら、絶対に口にする事の出来ないこの鯛焼きをつき返さなければならない。
悩んだ挙句、私は言った。
「鯛焼き好きやから、一匹食べるわ」
胸焼けするぐらい中華を食べて胃が重いのに、鯛焼き一匹たいらげる。
オッサンのペニスを触った手で割った鯛焼きを食べるくらいなら、胃が破裂する方がまし。
食い意地の張った女 春原かずこ。
私が肥満になる理由。
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2008年11月26日
コタツ
我が家には猫が居る。
コタツを欲しがる、猫と男。
男にとってコタツのイメージは、中に猫が居てミカンを食べながらの家族団らんなのだろうか。
私はコタツにいい思い出がない。
両親の離婚騒動はちょうど冬だった。
学校から帰ると家の中は真っ暗。
電気の入ってない冷たいコタツ。
小学生の私は、コタツのコンセントを勝手に入れることを禁じられていた。
その冷たいコタツに入り、祖母が昼間置いていってくれたおやつの焼き芋を食べる。
冷たいコタツほど寒々しいものはない。
電気が入らなければ、冷たい空間でしかないコタツ。
それ以上に、
私が母に捨てられたことが寒々しかった。
中学の頃。
コタツでウトウトしていると、腿を触る感触。
近くには母も弟も寝ていた。
みんなコタツの暖かさに蕩けている。
腿を触る手はタイツの中まで進入してきた。
バカな奴だ。
いくら寝ていても、パンティの中まで触られて気がつかないはずがないのに。
しかし、
気がついていても声は出ない。
相手は幼馴染。
「まぁいいか。事を大きくなると厄介」
そう言い聞かせて難が過ぎるのを待った。
でも、
それはその冬中続いた。
コタツに入ると眠れない。
コタツに入ると身が強張る。
コタツは嫌い。
コタツを欲しがる愛猫と男。
掃除が面倒だからと笑って断りを入れる。
本当は自分のトラウマがまだ掃除できていないだけ。
コタツなんて大嫌い。
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2008年11月25日
蕾 第百九話
「嫉妬して言ってるんじゃないのよ」
「あなたのクリトリスは綺麗じゃないもの」
「男にでも女にでも、愛されているクリトリスって綺麗なのよ」
そう言うと、るり子はレースのパンティを脱ぎ脚を開いた。
「ほら見て。綺麗でしょ、私の」
人差し指と中指で包皮を剥く。
そこには、金色に光るものを付けたクリトリスがあった。
「今日は駄目よ。ここに触れては」
「あの人が今日、付けてくれたの」
ヴァーティカル・クリトリス
るり子のクリトリスにはピアスが施されていた。
「2009年の記念。結婚指輪の替わりかしら」
そう言って、るり子はクスクスと笑う。
「愛されているでしょ。私のクリトリス」
確かに、金のリングをはめられたクリトリスはその輝きに負けないくらいに輝いて見えた。
艶々と紅色に輝く、その紅い粒はザクロの実のようだった。
初めてピアスを付けられたクリトリスは、少し腫れているようで紅かった。
その腫れも赤みも私のとは違う。
私のは、粗末に扱われ甚振られた赤。
るり子のは、紅い腫れ自体が金色のピアスに負けじと大きく輝いている。
「痛くないですか?」
るり子の秘所を覗き込むように尋ねる。
「痛かったわ。失神するかと思った」
「お産って、あれくらい痛いのかしら?」
「私、子供を産んだ事も結婚指輪をはめてもらった事もないでしょ」
「だから、結婚指輪と出産を同時に体験させてもらったような気がして・・・うふふ」
あの年寄りの話をする時。
るり子は本当に嬉しげに、可愛らしく話す。
あの皺枯れた年寄りの何処に、ここまでるり子を虜にするものがあるのだろうか。
「だから、今日は私がずっと責めてあげる」
もう一度るり子は私を押し倒し、その小さな舌を私のクリトリスに突き出し舐め始めた。
達彦に甚振られたクリトリスに優しく薬でも塗られるように、ゆっくりと丹念に舌を動かす。
私はるり子のピアスを施された紅いクリトリスを思い出し、るり子の舌でエクスタシーに達した。
〜つづく
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2008年11月24日
蕾 第百八話
達彦に吸われたクリトリスの事だ。
数時間前の出来事を思い出した。
「あ、あ・・あぁ」
言い訳いの言葉も見つからない。
いや、
下手な言い訳が通用してしまうよりも、るり子に虐めて欲しくて言い訳できなかった。
「彼が・・・・」
私にも男が居る。
レズビアンである者同士は、異性の恋人が居ることは汚らわしい事。
そう、ママに教えられてきた。
しかし、
るり子はストレートなレズビアンではない。
あのおじいさんが居る。
だから、
るり子は私に異性の恋人が居て、その相手とセックスする事を認めてもらえると思った。
そして、
その事でるり子に嫉妬してもらいたかった。
レズビアンとしての嫉妬。
ストレートとしての嫉妬。
そして、
その嫉妬が激しい愛撫となり、執拗なセックスになる。
それを私は望んでいた。
るり子はまだ私のクリトリスをじっと見ている。
暖房で乾燥している部屋を加湿するかの様に、私のヴァギナからは大量の愛液が湧き出ている。
るり子はじっとクリトリスを見つめたまま、言った。
「愛されてないのね、あなた」
予想を大きく反したその言葉が私の心臓を貫いた。
るり子の言葉があまりにも的中している。
そしてそれは、
私が一番認めたくない言葉だった。
〜つづく
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2008年11月23日
蕾 第百七話
るり子の人差し指が奥へ奥へと進む。
花弁とヴァギナの間。
一番敏感な所をゆっくりとなぞる。
るり子の指の動きに合わせて、
私の身体は逃げるように上へ上へと浮き上がる。
「ここ、感じる?」
全て承知のくせに、問いかけるるり子。
大きく頷く私。
「可愛い」
感じる私に、るり子は子猫を弄ぶように笑みを浮かべている。
「さぁ開いて。舐めてあげるから」
るり子の誘いに、恥ずかしいなどと言う感情はなかった。
前後にずらした足を私は大きく開く。
クリトリスが天を仰ぎ、花弁はぱっくりと開いた。
恥ずかしい格好
そういう自覚はあった。
だけど、隠そうなどとは思わなかった。
左手で顔を覆い、何も見えないふりをする事で羞恥心を抑える。
るり子はじっと見ている。
私の秘所をじっと見ている。
そして言った。
「クリトリス、真っ赤よ」
〜つづく
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2008年11月22日
蕾 第百六話
「私の身体を愛して」
自分が何故ここに来たかったかが解った私は、そのままを口にした。
るり子は大きく頷き、私を優しくベットに横たえる。
セーターをゆっくりと捲くる。
一枚一枚丁寧に脱がされ、ブラジャーだけにされた。
私は改めて、今日つけた着ている下着を確認する。
この明るい部屋で脱がされるという事は、着ているもの全てを見られるという事。
もし、
普通に男と女の関係を持てば、達彦も私の下着を
「可愛いね」
などと言ったのだろうか?
私がるり子以外の人間のことを考えている間にも、るり子の手は止まることはない。
スカートのホックを外し、捲り上げるのではなくスカートを脱がしてくれた。
タイツのウエストに尻の方から手を差し込み、ゆっくりと尻を撫でながらタイツを脱がす。
滑らかなるり子の手にタイツはスルスルと爪先まで下ろされ、そしてベットの縁に落とされた。
タイツを脱がした後も、るり子は尻を撫ぜ続ける。
私より少し小柄なはずのるり子だが、セックスをする時は大きく感じる。
私を優しく包み込むような愛撫。
尻を撫ぜられ、身体が緩む。
るり子の手に解されるように、愛液が湧き上がる。
潤い始めたことを悟ったのか、るり子はパンティも脱がせた。
一連の動作が水の流れのように滑らかに進む。
この動きに、私はるり子の世界へと引き込まれる。
るり子は尻の頬を撫でていた手を、ゆっくりと割れ目に寄せてきた。
割れ目の終点辺りをゆっくりこそばす様に撫ぜ、そして奥へと指を進める。
私の足が前後に開き、尻の割れ目にるり子の指の通る隙間を作る。
〜つづく
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2008年11月21日
喧嘩
お互い歳をとると、無益な喧嘩はしない。
10年近く一緒に過ごし
怒りのツボ
は心得ていたはずなのに。
久しぶりに大喧嘩をした。
事の発端は
朝マンコ
朝からその気になってペニスを咥えたら、
どんどんその気になって、
ピンクローターを取り出した。
ドSな男
は、ローターで感じる私に咥えさせるのがお好き。
男は今から始まるイラマチオに興奮し、ペニスをギンギンにする。
ローター、スイッチオン!
・・・・・・・・
しまった。
この前一人でオナニーした時に、思いっきり引っ張って電線を切ってしまっていた。
「お前、また壊しんか!」
「ごめん・・・・」
「半年で三個やぞ、三個!」
「代引きで注文しとくから」
「えっ!!」
躊躇する私に怒る男。
「今更、代引きのどこが恥ずかしいねん。三個も壊すくらい酷使しやがって」
「違う。違うねん」
「何が違うんや!」
「給料前やから、代引きは25日以降にして」
そこから延々30分。
ピンクローターの注文を、給料前にする・しないで喧嘩する二人。
付き合って10年。
並大抵のことでは喧嘩しなくなりました。
しかし、
お互いに譲れない、大人のおもちゃの大人な喧嘩。
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