2009年01月06日

蕾 第百三三話


 達彦の舌が包皮を剥き、
 突き出した舌がクリトリスを刺激する。

 私はイッた。

 達彦の舌にイッたわけではない。
 もう随分長い間、していないから。

 恵美子の介護を始めてから一ヶ月。
 るり子に最後に愛されてから、誰にも触れられていない。
 それどころか、自慰もしていない。

 だから、
 私はイッた。

 これはセックスではない。
 達彦という道具を使ったマスターベーション。

 これからも私は達彦を使って、溜まった性欲を吐き出すのだろうか。

 私がイッたことを察した道具が、脱力した身体から離れ、
 冷蔵庫からスポーツドリンクを取り出し飲んでいる。

  聞き分けのいい道具

 これから達彦のことを、いや夫のことをそう思おう。
 私は恵美子の世話で忙しいし、疲れている。

 勝手に私のクリトリスを舐め、何も求めない。
 この道具は案外便利かもしれない。

 るり子にも、そうは会えない。
 溜まっていく欲情は時折、道具に処理させるのがいい。

 起き上がった私がパンティを身につけ、タイツをはき、ブラジャーとキャミソールを元の位置に直したら

  「出ましょうか」

 と、道具が言った。

 〜つづく



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haruhara1 at 23:36│Comments(0)TrackBack(0)この記事をクリップ!【小説】 宵待譚 

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